小泉・安倍路線からの決別?。福田康夫首相は就任後初の所信表明演説で、前任の2政権の政治手法や方向性の「違い」を鮮明にした。小泉純一郎元首相のスタイルともいえた路線とは「劇場型政治」であり、安倍晋三前首相が目指したのは「保守政治」であったが、福田首相はそのいずれもとらない姿勢を示した。また、国会運営などで強力なリーダーシップを発揮しようとした小泉、安倍両氏とは一線を画し、野党との対話を重視するなど「協調路線」を前面に掲げた。それだけにインパクトや新鮮味に欠ける内容となったともいえる。
小泉氏は「聖域なき構造改革」を掲げ、自民党内や野党から「抵抗勢力=敵」を仕立てて丁々発止のやりとりをしたことで、「小泉劇場」とも呼ばれた。「美しい国づくり」を旗印とした安倍氏は、教育再生や憲法改正など「戦後レジーム(体制)からの脱却」に取り組んだ。
これに対し福田首相は、就任直後の記者会見で「背水の陣内閣」と銘打ったが、所信表明演説ではその文言はなかった。総裁選で訴えていた「自立と共生」が結びの部分で登場するなど、「直前まで総裁選に追われ、内容を吟味する時間がなかった」(首相周辺)ことによるドタバタぶりが、反映されたようだ。
また、憲法改正や集団的自衛権の行使をめぐる記述はないなど、「安倍カラー」は完全に打ち消されたともいえる。演説で示した政策の多くは具体性に欠き、総花的な内容で埋められた。
逆に目立ったのは、3日から本格論戦が始まる国会運営に配慮し、野党との協調姿勢を繰り返し表明したことだ。
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